タップダンスシチー騒動の顚末

7〜9日は今夏最後の青春18で取材に出かけるため、
またまた事前調査や宿泊先の手配などでバタバタしてしまいました。
原稿は1本脱稿したのですが、今週も雑用が多くて仕事がすすみません。
ただ、今回は徹夜明けの始発乗り継ぎになるため、
まだ時間には少し余裕があります。少しでも原稿書きを進めておこう!
なお、大変申し訳ありませんが、ネット環境がないため、
8・9日の競馬予想はお休みします。
本当ならスマホからでも更新すべきなのですが、
バッテリーの消耗が早すぎて、外出すると1日すらもちません。


そんな日常はさておき、本日はちょっと驚かされる情報が飛び込んできました。
ネタはいつも愛読している競馬ブログなのですが、
その元ネタはライターの臼井隆宏氏のブログです。

http://takahiro.com/zakki/648.html
(takahiro.com『GI馬・タップダンスシチーは、どこへ?』)

タップダンスシチーは03年ジャパンC、04年宝塚記念とGI2勝し、
03〜05年には金鯱賞を三連覇するなど活躍。通算成績は42戦12勝。
外国産としては獲得賞金で初の10億円ホースとなっています。
シチーで知られる優駿HCの看板馬で一口もっていた人はウハウハだったことでしょう。
僕はこの馬にむしろ馬券でやられていますので、
とくに思い入れのある馬ではなかったが、今回の最初の情報には驚きを隠せませんでした。
同馬は2006年の引退後はブリーダーズSSで種牡馬となり、
初年度163頭、2年目127頭と人気を集めたが、産駒はこれといった活躍馬が出せず、
2011年で種牡馬を引退。去勢されてノーザンホースパークの乗用馬となりました。
昨秋には福島県ノーザンファーム天栄に移動しています。
そしてフジの競馬番組でおなじみ福原直英アナウンサーが
2012年4月21日付のブログで、ノーザンファーム天栄を訪れ
タップダンスシチーに跨っている写真もUPされています。
それから半年も経たぬうちに臼井氏が同馬の行方を追い、
こうした行方不明の情報に遭遇したわけです。
福原氏のブログでは大学の馬術部に移籍すると書かれていましたが、
臼井氏の取材では茨城県の牧場に移動したあと消息を絶ってしまったとあります。
「行方不明=殺処分」というのは競馬業界では暗黙のルール。
しかし、その後、優駿HCより公式発表があり、生存は確認できたそうです。
なんともクラブに所在を確認せず、そのままブログに出してしまったので、
とんでもない騒動へと発展してしまったものですが、
これによって非難・中傷の謗りを受けたクラブにとってはたまったものではないでしょう。
ただ、今回思ったのは、競馬の消長は早いので、
タップほどの名馬でも正確な情報がつかめなくなっていること。
調査の仕方に問題があるとしても、このライター氏が会うために取材をしなければ、
所在に関する問題提起もされなかったことです。
そしてネットというのは、誤報でもすぐに拡散してしまう恐ろしさもあります。
とりあえずタップの生存は確認できて何よりでしたが、
過去には用途不明で処分されてしまった名馬のほうが圧倒的に多く、
91年菊花賞を勝ったレオダーバンにしても2001年の種牡馬廃用後に消息を絶っています。
JRAは1973年から八大競走勝馬の「引退名馬繋養制度」を発足しているにもかかわらずです。
「行方不明=殺処分」というグレーな部分が存在するのは、
競馬ファンや似非動物愛護団体にはばかっているのかもしれませんが、
むしろ所在をはっきりし、「○○は○年○月○日に処分しました」にしてくれれば、
競馬に対する観方も変わるでしょうし、その馬に対する救済措置も生まれてこようというものです。
むろん、廃用のサラブレッドすべてを把握するのは不可能なことですので、
昨年制度が改悪された功労馬繋養展示事業の対象となる重賞ウィナーだけでもいいのです。
地方競馬では競走馬の死亡情報がより曖昧になっているのは困ったものですが……。


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