川島正行師逝く

shugoro2014-09-10

10日未明に帰宅し、さすがに取材中の寝不足もあって
早目に眠ったつもりでしたが、翌日は午前中完全にダウンし
午後からなんとか8・9日の両日に撮影した写真整理を終わらせましたが
ここで1日が終わってしまいました。
本来ならこちらの訃報を先に記さねばならかったのですが、ようやく更新に至る次第です。
9月7日に船橋川島正行調教師(冒頭写真)が亡くなりました。享年66歳。
川島正行師は数年前から闘病生活を送っていたことは聞いており、
さらに海外からも最新の薬を投与するなどしていたのですが、
薬石効なく亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りします。
騎手地方競馬通算成績は6668戦786勝、うち重賞13勝
調教師地方競馬通算成績は4839戦1276勝、うち重賞139勝
中央43戦0勝、海外1戦0勝
年度代表馬では03年ネームヴァリュー、05〜06年アジュディミツオー
07〜11年フリオーソなど錚々たる名馬たちが名を連ねます。
川島正行師の偉業はいろいろなブログで語られていますので
ここでは僕なりの論点から川島師との思い出を綴りたいと思います。


川島正行師は僕が『競馬フォーラム』の編集記者時代から名の通った調教師で
当時から現在に至るまで『優駿』で連載を続けるT氏とともに
追いかけているテーマが地方へ流れた元中央オープン馬です。
初期の管理馬で思い出深いのはサクラハイスピード(88年生・牡)で
あの出世レースと云われた90年いちょうSを制しながらも
古馬になってから準オープンで頭打ちとなりました。
しかし、川島師のもとで再生し、今は亡き佐藤隆騎手の手綱で
94年の川崎記念を制したほか、94・95年の東京盃を連覇します。
さすがにアラブ最強馬トチノミネフジとともに挑戦した
吾妻小富士オープンはシンガリ負けに終わりましたが、
この頃から川島再生工場の名が知られるようになったのです。
その後もネームヴァリュー(98年生・牝)が中央在籍時は16戦4勝で
00年コスモス賞しか勝っていなかったのですが、
03年の帝王賞・GI、TCK女王盃GIIIを制し年度代表馬になります。
しかし、どの元中央オープン馬も再生できるわけではありません。
それでも名立たる元中央オープン馬が川島師の手腕に期待をかけられ、
預けられますが勝てずに終わった馬も多くいます。
これまでの記録から最終的に川島正行厩舎にいた元中央オープン馬を掲げておきます。


ナリタキングオー(92年生/中央25戦5勝/地方4戦0勝/95年京都新聞杯GIIほか重賞2勝)
サクラスピードオー(93年生/中央19戦4勝/地方3戦0勝/96年京成杯GIIIほか重賞1勝)
エコルプレイス(00年生/中央21戦5勝/地方1戦0勝/03年グランシャリオC・GIII
トーセンジョウオー(01年生/中央18戦5勝/地方10戦4勝/05・08年スパーキングレディCJpnIIIほか重賞5勝)
アドマイヤフジ(02年生/中央35戦6勝/地方3戦0勝/08・09年中山金杯GIII
フサイチジャンク(03年生/中央14戦4勝/地方2戦0勝/06年若駒S、若葉S)
ナイキアースワーク(03年生/9戦3勝/地方8戦0勝/06年ユニコーンS・GIII
サブジェクト(05年生/中央14戦2勝/地方9戦0勝/07年ラジオNIKKEI杯・GIII
セントラルコースト(05年生/中央19戦5勝/地方8戦0勝/09年コーラルS)
ダブルウェッジ(06年生/中央22戦2勝/地方7戦1勝/09年アーリントンC・GIII


これはあくまで最終所属先であって、これ以外にも川島厩舎経由で
他の地方へ移った馬も多数いますが、さすがに調べ切れません。
ここに掲げた馬で地方で成績を残せたのはトーセンジョウオーぐらいです。
それでも一度は中央で活躍の場を失った馬が、
交流重賞でJRA勢を撃破したのは特筆ものといえましょう。
以前、関係者筋に近いルートで聞いた話ですが、
川島厩舎に移籍した元中央オープン馬は馬体重がぐっと増えるそうで、
これは中央の軽いダートでなく、地方の重いダートに適応させるためと聞きました。
その意味で11年のフェブラリーSフリオーソの2着は
スタートが芝という邪道なコースに戸惑い、
ダッシュがつかなかった痛恨のレースだったのでしょう。
川島師ほどの名伯楽が中央で勝利がないのは意外でしたが。
こういった元中央オープン馬の宝庫でありながらも
取材する機会に一度も恵まれなかったのは悔やまれます。
一度、某競馬雑誌に企画を持ち込んだこともあったのですが、
取材者の知名度がないとかアホな理由で一蹴されてしまったのです。
また、川島師はファンを大切にすることでも有名でした。
いつもきちっとした身なりで公の場に出るばかりか
自分の祝賀会にも抽選で一般招待(これはハズレた)したばかりか、
2013年2月に招待されたNARグランプリでは
招待されたファンへのプレゼントを川島師自ら提供したのです。
90年代に雑誌のプレスで入れた頃は、NARもまだ羽振りがよく
スポンサーもいて乳製品の詰め合わせなどもらえたものですが、
さすがに今では缶バッジとかしょぼいものしかもらえません。
しかし、川島師は自分の所属馬の記念グッズなどをまとめて参加者に提供し、
中身はそれぞれ違いましたが、僕のにはフリオーソのマウスパッドが
もん吉さんには豪華なキャップが入っており、みな喜んだものです。


最後に川島正行厩舎所属であった現役の元中央オープン馬を
掲げておきます(成績は9月7日現在)
アーリーロブスト(牡8/中央37戦5勝/地方14戦0勝/09年京成杯GIII
スーニ(牡8/中央41戦12勝/地方2戦0勝/11年JBCスプリント・JpnI
バトードール(牡7/中央34戦3勝/地方0戦0勝/10年JDD・JpnI3着)


この3頭はジュニアの川島正一厩舎に移籍していますが、
一時的な処置でその後はどう振り分けられるのか。
そういえば川島正一厩舎にも元中央オープン馬が多いですね。
亡き親方の遺志を受け継いでくれることを願うのみです。


本日の木之前葵ちゃん
1Rスキャットソング3着(4番人気)
2Rドリームアスリート3着(3番人気)
4Rデルマアクビチャン5着(4番人気)
6Rコーリンマレガー2着(5番人気)複勝280円アタリ
8Rベルグラス6着(7番人気)


4Rまでは寝坊して購入できず、1R複勝170円、2R複勝160円を獲り損ねました。
本日も勝てず惜しいレースが続きましたが、かなり勝負勘を取り戻していますので
復活の勝利は来週には見られることでしょう。
葵ちゃんには2014NARグランプリで最優秀女性騎手を受賞し、
授賞式で再会したいと願っています。


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