消えゆく寝台特急。毎年3月の改正はお別れの季節で、
次から次へと寝台特急が淘汰されていきました。
そして本日、各方面からのつぶやきでもみましたが、
来春3月の改正で寝台特急「日本海」(冒頭写真)が廃止される報道がありました。
しかし、ワンクリックの「いいね!」には困ったものです。
「いいね!」にクリックするわけにもいかず、
「よくないね!」とコメントするしかありません。
JRグループは2012年春のダイヤ改正に合わせて、寝台特急「日本海」
(大阪―青森)を廃止する方針を明らかにした。利用者の減少や車体の老朽化が理由。
今回の廃止で関西を発着するブルートレインはすべて姿を消すことになった。
「日本海」は1968年に運行を開始。金沢や秋田を経由する日本海側の路線で、
観光客やビジネス客の人気を集めてきた。しかし近年は新幹線など代替交通手段が多様化し、
利用者の減少に直面していた。(2011/11/18 11:08日本経済新聞)
先月、ようやく寝台特急「あけぼの」に乗れたばかりというのに、
今度は「日本海」ですか。困ったものです。
日本海は20年以上前にネガフィルムで数枚撮っただけで、
デジカメではまだ1枚も撮っておらず、
冒頭の大阪駅の「日本海」は、奈良のハルくんにもらったものです。
しかし、30年前のブルートレインブームほどではありませんが、
先日「あけぼの」に乗ったときも、始発駅には必ず撮り鉄がいて、
結構な乗車率がありました。週末だったことが影響しているかもしれませんが。
廃止理由のひとつに利用者の減少を挙げていますが、要は車両老朽化に伴い、
新型車両を置換する気にもなれず、しかも会社間をまたがっているので、
めんどくさいから廃止したいというJR側の本音が見え隠れしますね。
「日本海」は2008年までは2往復運転されていましたが、
「北斗星」とともに1往復廃止になったのは、
北海道新幹線の工事と絡んでいるからです。
ただ、「富士」や「あけぼの」に乗ってみて思ったのは、
やはり車両の古さに象徴されるやる気のなさでしょう。
「カシオペア」や「トワイライト」のような食堂車付の車両にすれば贅沢ですが、
まだまだ汽車旅も旅行の選択肢のひとつだと思うのです。
スピードからいえば飛行機や新幹線に叶わないでしょう。
値段からいえば高速の長距離バスには叶わないでしょう。
しかし、不景気と同時にこういう寝台車が淘汰され、
ヨコになれるという快適な移動手段の楽しみが奪われていきました。
正直、飛行機やバスではエコノミー症候群になりかねないほど辛いのです。
安くて効率ばかり求められる時代の流れといってしまえばそれまでですが……。
本当の「葬式鉄」は報道される前にそっと済ませておくのが通で、
そうじゃないと廃止される背景にある利用状況の実態が読めないからです。
2007年10月6・7日に寝台特急「富士」に乗れたのはよかったと思います。
たしかに乗車率はよいといえませんでしたが、快適な旅ができました。
ひとついえたのは車内販売すらやる気がなく、
出がらしのようなまずいコーヒーしかなかったことです。
「日本海」が廃止されることで、また版元は「ブルートレイン」の企画に飛びつくでしょうし、
廃止が近づくにつれ、葬式鉄が殺到することでしょう。
できれば平日に利用の状況を実感したかったのですが、
もう乗る機会も得られず、惜鉄になりそうです。
では最後に1981年(古っ!)にリリースさえた森昌子さんの名曲
本題の「哀しみ本線日本海」でお別れしたいと思います(ラジオ局風)。
いかにも「日本海」を象徴する名曲ですねぇ〜。
この歌と「日本海」をセットにした映像、誰かようつべにUPしてくれませんか。
最終日は森昌子さんにこの歌を歌ってもらう式典を行ってほしいものです。