美濃市の悲哀

本日も大したネタがないので、地元中日新聞のニュースから。
美濃市の美濃北中が美濃中に統合。人口減が著しい地方都市では当たり前のようなネタだが、
実はこの市とは少しばかり縁があるので取り上げた。
高校時代、美濃中出身で、ここから通ってきた部活の友人がいたのと、
某芸人さんの出身地だからである。
しかし、広域な市内に3つしかない中学が2つになるのだから子どもは大変だ。
僕も故郷で名古屋へのアクセス不便さに閉口したが、やはり若者は都会をめざしてしまうのだろう。


80年代の美濃市は人口2万7000人台。市制施行の頃は3万いた人口が減少していたが、
それでもこの頃は過疎化に歯止めがかかり、横ばいで推移していた。
しかし、現在では2万2000人台になっているのか。
そういえば広域市町村合併のときも、武儀郡の町村は美濃市との合併を敬遠し、
全部関市と合併してしまった。おかげで美濃市は関市に覆われるような形になっている。
高校時代、この友達の家に遊びに行ったことがある。
僕の故郷が都会というわけではないが、当時はこういったもっと田舎に憧れていた。
川で泳げたり、オオサンショウウオに噛まれた話とか、スゲェ〜と聞いていたものだ。
長良川岐阜市内でも泳げたのだから、美濃市はもっと川がきれいなのだろう。
しかも名鉄美濃町線と越美南線(現・長良川鉄道)の2本の鉄道があった。
いま思えば美濃〜関間はこのローカル線が並行していたのだから驚くばかり。
しかし、美濃町線の新関〜美濃間は99年3月で廃止された。
ちょうどその直後にデビューした芸人さんが、ここ出身だったので驚いた。


2005年3月には名鉄美濃町線自体が全廃された。
これで岐阜方面への公共交通はバスだけになってしまった。
その後、美濃市駅で途中下車したことはあるのだが、時間がなく街の散策はできなかった。
美濃市は美濃和紙で知られ、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている観光地だが、
それでも郡上八幡世界遺産白川郷に比べると地名度は低い。
しかも東海北陸自動車道の開通で郡上八幡ですら素通りされている。
いったんは強引な市町村合併で大きくなった関市や郡上市も同じような状況であることは変わりない。
美濃市に限らず長良川鉄道沿線全体がこうなのだから鉄道の存続も厳しくなっている。
せっかく観光資源がたくさんあるのに、なんかもったいない。
同じ規模の地方都市でも阿久根市ブログ市長のパフォーマンスで全国区になっているというのに。


部活時代、お互い「都会よりのんびりした田舎のほうがいい」と話していたものだが、
もう、このときこう話した友人が故郷に止まっているのかどうか知る由もない。
僕もいったんは地方へ出たものの、閉鎖社会に愛想が尽き、東京に帰化してしまったのだから。


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