新刊より復刊

現在、某社から絶版になっている本の復刊編集を頼まれている。
デザインなど思いっきり修正入れたいところだが、
「直しは減らして」といわれているため、時事関係と明らかな間違いくらいしか赤入れができない。
これは少々不満の残る作業だ。せっかく写真とかも変わっているのなら、
差し替えればいいのに、このへんは再生工場化している当社の得意技。
ただ、めんどくさいのは当時の著者や写真家の連絡先追跡である。
昔、某社から復刻で出した花の本は写真が変わらないのはともかく、
交通関係や地名の変化はまったく対応できていなかった。
このへんは編集者の力量のなさであるが。復刻にしてはお粗末な内容であった。
正直、ここんところの乱発の新刊ラッシュはおかしい。
昔は本一冊企画通すのが本当に大変で、本を出すことがステイタスなわけであったが、
もはやそんな有難味などまるでない。嫌な時代になったものだ。
でも、なんか昔の本に赤入れしていると、ちょっとだけ落ち着くね。
なんか盆栽いじっているご隠居さんみたい。
いまなんて原稿書きっていっても、ウィッキーコピペや、
ネットからパクリ放題の画像が氾濫しているだけだから。
版元もいつ崩壊するかわからないし、焼付きが怖いから、
プロの方はみな成果物を出してお金を回収していくしかないのだから。
だから新刊なんて長期化すれば回収率がなくなってしまうのだ。


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