できないことはできないと云える勇気は必要

shugoro2009-10-06

月曜は『天地人』批評を書いてしまったので、まずは昨日の出来事から。
5日は仕事打ち合わせのため、デザイナーと新宿の某社へ。
実はこの某社、ネットからの問い合わせだったのだが、
いざプレゼンをつくってみると、どうも向こうの主旨と噛み合わない。
当社が歴史の書籍を制作しているからといっても得手不得手はあるし、
間違っても歴史を歪曲したり、あるエピソードを拡大解釈するのは方向性が違う。
レキジョ向けの本だから同性愛のエピソードを盛り込んでほしいとのことだが、
向こうのあげてきたサンプルは根拠(出典)のないものばかり。
もちろん、リサーチすればもっと出てくるかもしれないが、
プロットの段階で構成がまとまっていないのであれば、
いざ調べたあとで立ち消えになるリスクも伴う。
正直、このスケジュールではきついし、報酬と時間とモチベが比例しない。
まず一番重要なのは裁量権で、これが甚だ奪われるとモチベーションが上がらない。
そんな仕事を受けたところで泥沼に陥るのは必然。
新規の取引先だが依頼を断った。向こうもそのあたりは納得してくれたので助かったが。


以前にメールきたI社はひどかった。先に企画会議で通しておいて無茶苦茶な低予算。
ムリと断ると、安いライターを探すからといって押し通してきた。
案の定、独りのライターは相当ひどい原稿であった。
できないことはできないというのは恥ずべきことではない。
口先だけで引き受けておいて穴を開けたり、主旨とかけ離れたヘボイ原稿を書いてくることのほうが、
よっぽど恥ずかしいからだ。出版界の諸葛亮馬謖に転落し、斬らざるを得なくなることもあった。
書籍なら多少の融通が利くだろうが、雑誌とくに月刊誌だと1日の遅れが命取りになることだってある。
別の取材で出掛けていたときにインタビューを断られたときは本当に綱渡りだった。
だから月刊誌は極力締切前厳守で済ませることをモットーにしている。
しかし、他の仕事にも影響してくることしばし。
だからといって他の仕事で遅れましたというのは言い訳にならない。
そのことは身にしみてわかっているつもりだ。
「原稿何日まで」最初の締切日はかなり流動的になっているものの、
印刷所とのスケジュールが固まってしまうと、さぁ大変
マジで催促して期日までにあげてもらわないといけなくなるからだ。
しかし、身体はひとつしかない。だから今回も「10月中の作業はムリ」と最初からクギを差しておいた。
できることはできても、できないことはできない。
できると云ってしまうとその責任が付きまとい、穴をあければ信用を失ってしまう。
己の力量が試されるわけだが、臨機応変にやっていても難しい。こういうときどう対応するか。
一番よくないのは連絡を絶つことだ。電話に出たくない気持ちはわかるが、
イソップ童話オオカミ少年のようにその場でウソをついたり、言い訳ばかりしていると、
最後は信用を失ってしまう。でも「言うは易し、行うは難し」
有言実行のいかに大変なことか。乱発の時代だからこそ余計恐ろしい。


≪昨日のニュースから≫
菊花賞の本場場入場では『天地人』で信長を演じた吉川晃司が誘導馬に乗って登場するらしい。
何かの馬券のサインになるのであろうか?


座敷童子の宿『緑風荘』(岩手県二戸市)が全焼。
座敷童子って幸福をもたらすのだが、最初からいなかったのか、
それとも商売絡みになって逃げていったのか?


≪でもって本日≫
交流重賞白山大賞典買わず。9頭という少頭数では買う気しなかったからだが、
意外に金沢の騎手に乗り替わったサカラートが2着で好配当。
あと本日発売の『特冊新鮮組DX』11月号(冒頭写真)。8月号から連載復活しています。
今回の特集は「戦国武将合戦の生涯戦績ファイル」で、
元ネタは2月発行の『データで見る最強の戦国武将ファイル』(洋泉社
こちらに自分なりの解釈を加え、他の人物もひろってみました。
もっとも今月は9月上旬丸々取材にとられていたので、
編集担当にはご迷惑をおかけしました。m(_ _)m


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