老害について考える1

石田未来に引き続き、女子マラソン最強のQちゃんこと高橋尚子選手も引退を表明した。
一世を風靡したヒロインが消えてしまうのは寂しいが、肉体の限界を悟った潔い引退なのであろう。
引き際を誤れば人間は老害を撒き散らすことになりかねない。今回はこの老害について考えてみる。

老害とは「組織の指導者層が高齢化したまま、円滑な世代の交代が行われず、
人材の若返りが阻まれ組織の健全性が失われていく様」とはてなダイアリーにある。
ただ、これは本当に老人だけによる害ではない。お年を召されていても
恐ろしくソフトな頭脳をもっている人だってちゃんといる。
要するにその時代の流れについていけず、自分だけの価値観で吠える人間のことである。
身の回りで起こった老害三例を以下に記しておく。


老害その1
昔は高名なカメラマンがいた。しかし、デジタルに切り替えができず、
視力も失って写真はピンボケ。しかも三脚をもってこず、衰えた筋力に頼って手ぶれだらけ。
フィルム・現像代を考えればとんでもない無駄な出費。
しかも、現像には時間がかかるし、先生気取りで編集者をあごで使って
注文や受取まで行かせる。朝飯の領収書5000円を切ってきた時は驚いた。
別に料理を撮影したわけでもない。昔の感覚が抜け切らず、
相変わらず知り合いの旅館などでタダ食い・タダのみしては空領収を切る。
それでいて「カメラマンが取材すれば費用がかかる」とのたまう。
はっきりいおう。それほど高名なカメラマンならなぜ、
こんな貧乏な編プロと取引するのか、老害を撒き散らすカメラマン。
自ら借金をせがんで墓穴掘った。斬る理由ができたわけだ。


老害その2
一流大学を出て編集長まで昇り詰めた人。しかし、パソコンも扱えず、
外部に経理を任せた。つまりキン○マを出して握らせておきながら、
外部への支払いをしぶり、キックバックや搾取を平気でする。
で、朝三暮四でサケやメシで報酬をごまかそうとする。これを「禿酒」と僕はいう。
不毛だからである。昔話や意味のない説教。時間の無駄無駄。
最近の若い世代が上司との酒の付き合いなどをしぶるのは一理ある。
しかも部下の管理もできず、不正を正当化する。
こうなるとただの禿。「バレなきゃいい」という発想が蔓延し、
著作権侵害も当たり前。こういう老害を撒き散らす人間がいるから出版界は活性化しない。


老害その3
やはり過去の栄光があると、プライドが禍する。
編集コストが下がるご時世を理解していない。別に安く叩いているわけではない。
編集の要求するイラストが書けなければ使い物にならないし価値もない。
試し絵の段階でそのまま斬り捨ててもよかったが、
妥協案でページをもたせてやった。なのに大変失礼なメールを出してくる。
カリスマ編集者森田芳夫氏がかねてから、
「相手の意思を読まずに出すメールは誤解を招く恐れがある」というのはこのこと。
ブチ切れたくなるのところを押さえてなだめ、大人の対応をした。
相手は「今後のこともあるからね」といったが、残念ながらこんな失礼な奴に「今後はない」。


しかし、こう書いている自分が老害を撒き散らしているのかもしれない。
何事も自分が正しいと思いたくなるのは世の常・人の常であるからだ。
ただ、師と仰ぐK氏のように「自分の行動に責任をもつ」ことは心がけているつもりだ。
その師が酒宴の後日「俺酔って、何か失礼なことしなかったか?」と聞いてきたのは笑えたが。

つづく


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