『窓ぎわのトットちゃん』

shugoro2008-07-10

特記することがないので、11日の出来事から一部戻って書かせていただきます。
いわさきちひろ美術館で購入した本は衝動買いが危惧されましたが、
押さえながらもこれは買っておかねばと思ったのが、
黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』(講談社文庫)です。
この本1984年に刊行されたのですが、書籍では史上最大のベストセラーで、
累計750万部を超える本です。shugoroさんの三国志人物事典』なんかまだ1万2000部。
失礼しました。比較の対象が違いすぎましたね。
表紙や挿絵にはいわさきちひろの絵が入っています。
いわさきちひろさんは刊行より10年前に亡くなっていますが、
この絵が物語を引き立てたのはいうまでもありません。
黒柳徹子さんは当美術館の2代目館長もつとめていましたね。
内容は僕より皆さんのほうがご存知のはずで、
僕のほうは噂を聞いていながら、これまで読む機会がなかったのです。
これは黒柳徹子さんが通ったトモエ学園の話で、
自由な校風や小学校生活を描いたすばらしい作品です。
と・こ・ろ・が……我が故郷ナゴ国の愛知県では、
刊行された80年代、本書を「タレントが書いた本だで読んだらだちかん」
と図書館から締め出していたのです。
清水義範氏の小説『きしめんの逆襲』でコレを知ったとき、
最初は小説のネタかと思いましたが、実際に行われていたのです。あばば……。
残念ながらナゴ国は教育に関しては最低の水準で誉められたものではありません。
大人には住みやすくても子どもの人格形成にはあまりよい影響を与えないのです。
愛知県は管理教育日本一を自負しており、無茶苦茶な校則で生徒をしばっていました。
トットちゃんの学校教育とは相反するものだったのです。
個性を殺し、内申書で生徒を管理し、集団の軍隊生活を強いる教育。
現在だったら大問題に発展したことばかりですが、これが当たり前のように行われていました。
で、皮肉にもそれがかえって校内暴力の増加につながっていったのです。
体罰などの暴力ではかえって生徒の憎しみを増すだけ。力で抑えきれるものではないからです。
さんざん暴れた挙げ句、最後だけいい子ぶって泣いていた情けない不良さんもいましたが。
結果、愛知教育大学を卒業しながら向こうの水になじめなかった
小説家の清水義範氏や漫画家の江川達也氏は東京に出てきて大成したわけです。
落ちこぼれのshugoroさんはまったく芽すら出ませんが……。


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