殺された鉄道雑誌

10日の秩父鉄道取材で感じたことは、「1日ではとても取材できない」
という結論でした。最近は「特急田中3号」の流行もあって、
鉄道書を出せば売れるという安直な発想で、質の低下はひどいものです。
しかも鉄道とは無縁のライターが喰えないために侵出し、
単なる旅行記を書いて荒らしています。
るるぶ埼玉』などの「SLパレオエクスプレス」の見開き特集であれば
仕方ない気もしますが、JTBの『鉄道紀行』をはじめひどいものばかり。
天下のぴあ『鉄道で愉しむ旅』ですら、秩父鉄道沿線で紹介しているのは、
長瀞秩父の名所2件だけ。つまり羽生・行田・寄居・三峰口などはまったくムシ。
これで本当に汽車旅が楽しめるのでしょうか?
温泉もたくさんあるのにまったく取り上げられていません。
以前のJTBでもそう。結局、持ちネタの温泉しか取り上げず、
読者に選択権を与えないつくりで、途中下車の楽しみも奪っています。
ましてやコストを削減するあまり地図もなく、実用性がまったくありません。
こんな雑誌ばかりつくっていては鉄道もあっという間に衰退してしまうのではと
警鐘を鳴らしているのです。このミーハー化とともに固定のマニア層は減り、
一定部数を確保できた鉄道書でも、どの本も同じ内容では食傷気味になります。
これまで当社では人気鉄道旅行作家てんきゅうさんを起用し、
クオリティを維持してきたつもりですが、
この防波堤もいまや崩れそうになっているのです。
≪訃報≫
コマンダーインチーフ(牡17・英国産)が繋養先の優駿SSで、
放牧中に右後脚を複雑骨折し安楽死。同馬はミホノブルボン種牡馬同期。
ファーストシーズンサイヤーでは、メジロマックイーンコマンダーインチーフ
ミホノブルボンの順でした。マックもすでに亡く、
同期が次々亡くなるのは寂しいな〜。
さらに同日、87年の安田記念馬フレッシュボイス(牡24)も、
余生先の北海道日高町シルバーホースファームで心不全のため死去。
訃報が相次ぐのはいとさみし……。


【人気blogランキングへ】