『決定版 旅と鉄道スタンプ帖』

shugoro2013-10-30

すでに10月前半に校了が終わり、先週には見本誌が届いていたのですが、
本日、当社で久々に1冊制作した冒頭写真の本が発行の運びとなりました。
苦節22年の力作になります。まず内容を語る前に
この本をつくる経緯となったスタンプ帖の歴史からお付き合いください。

スタンプ帖の歴史は昭和45年(1970)に国鉄で行った
DISCOVER JAPANのキャンペーンに合わせ、
設置駅を掲載したスタンプ帖が弘済出版社(現・交通新聞社)から発行されたのが最初です。
当時の初版(写真左/トミタン提供)は、昭和46年(1971)10月発行となっており
定価は200円。このスタンプ帖は所持していないので何個押せたかはカウントできませんが、
この判型で「一枚のキップから」「いい日旅立ちと続いたのでしょう。
残念ながらこの時代のスタンプ帖も所持していないので、
全国約50駅しか設置されなかった「いい日旅立ち」時の中身は分かりません。
ところが国鉄末期の昭和55年(1980)11月にDISCOVER JAPAN10周年を機に
駅スタンプをリニューアルし、全国約740駅に「わたしの旅スタンプ」を設置しました。
これはスタンプをの3色と丸・四角・五角・六角の4種の形を組み合わせ
12種類に分類して初めて意味合いを持たせたもので、
このときスタンプ帖(写真中央)は縦長で92個押せるものになります。
定価は350円で、スタンプ1個あたりの押印単価は3.8円
この頃はスタンプ全盛期で、スタンプ帖は全国のキヨスクに置かれ、
夜行列車などでは数分停車の間にスタンプを押しに行く若者の姿がみられたものです。
国鉄分割民営化後も監修が国鉄からJRに変わっただけで引き続き、
このスタンプ帖(写真右)が売られていました。

そしてこの僕がこの版元に入社した目的は時刻表でなく、スタンプ帖をつくりたかったからです。
なぜならこのスタンプ帖末期は駅の無人化やJR支社ごとのスタンプ一新もあって、
設置駅の情報がものすごく曖昧になっていたからです。
しかし、自分の希望とは裏腹にひたすら校正オンリーの時刻表編集部に配属され、
さらにショッキングなことが起こります。
それが平成3年(1991)に改訂された蛇腹式のスタンプ帖(写真左)です。
定価500円で押せる紙面は36個と激減。スタンプ単価は13.9円と4倍近くに高騰し、
スタンプ設置駅もなくなりました。これはもはや改悪としか云えず、
僕も電話で何度か読者のクレームを受けたことがあったのですが、
「古いスタンプ帖はもうないのですか」という声が圧倒的でした。
地方のキヨスクではしばらく在庫があったようですが。
さすがにこれは不評(当たり前)だったようで、すぐに定価は同じで
以前の初版と同じ判型にし、スタンプ設置駅ではなく時刻表の鉄道地図を転載しました。
500円時代のものが手元にないのですが、たぶん現在のと変わっていないはずですから、
56個押せてスタンプ単価は8.9円。いささか改善されたようです。
もうその頃には僕は失望して退社していましたし、
競馬の仕事が中心となってしばらくスタンプ集めもしなくなりました。
再び鉄道関係の仕事をするようになり、スタンプ集めを再開した頃、
定価は550円(写真左2番目)に値上がりしていましたが、
あくまで押印日を控える資料として買い続けたものです。
このときのスタンプ単価は9.8円。1冊は1カ月足らずで消費してしまうので、
かなり売上げに貢献していたと思います。
ところがついにこの「わたしの旅スタンプノート」と別れを告げる時が来ました。
きっかけは平成23年(2011)の改訂39版(写真右2番目)でした。
表紙のデザインが変わっただけなのに550円から600円便乗値上げしたのです。
スタンプ単価10.7円。たしかに会社的には利益率がいいですが、
明らかに消費者を舐めてると思い、買うのを止めました。
その後は都営地下鉄でもらえた無料のスタンプ帖などでつなぎました。
その後、このスタンプ帖に対抗するためか、
新潮社でも『駅旅スタンプノート』(写真右)を制作しました。
定価は530円で64個、スタンプ単価は8.3円交通新聞社のものよりかは安いですが、
このスタンプ帖自体、糸綴じでないため開きが悪くて評判があまりよくありません。
そもそもスタンプの魅力は基本は無料で押印でき、お金がかからない趣味だということです。
この基本に立ち返り、スタンプ設置駅を掲載し、
コンプリート魂を掻き立てるスタンプ帖ということで、
敏腕編集者N田氏の目に留まって、発行の運びとなったのが今回のスタンプ帖だったのです。

『決定版 旅と鉄道スタンプ帖』廣済堂出版
定価600円 購入はコチラ


はい、判型は昔の「わたしの旅スタンプノート」に戻し、
94個押せてスタンプ単価を6.4円まで下げました。
欲をいえばもう少しだけ下げたかったのですが、
版元の事情もあるのでこれが限界でしょう。

中身はちょっとだけネタバレですが、こんな感じ。
東京支社印77駅と都営地下鉄102駅の塗りつぶしチェックリスト(写真左)
全駅の印影(写真右)が掲載され、設置箇所やスタンプの説明、状態を記しています。
何が大変だったかって、この全179駅はすべて自らの手押し
先のブログでも書いていた取材はこれだったのです。
この機に6色の朱肉をそろえ、きれいに押せるようにつとめました。
仕事でなかったら集めに行く機会はなかなかなかったでしょう。
というのもこの両社のスタンプ、近年に更新はされているものの、
印影はほとんど変化がなく、新しいスタンプを集めるという楽しみが半減していたからです。
もちろん、日暮里などで支社印以外の新印が押せる収穫もありましたが。
また、今回はもちろんあのお方、スタンプ皇帝KANTAさんの協力なくして
完成できなかった作品です。貴重な日本初の福井駅のスタンプ(1931年)や
スタンプの変遷などはKANTAさんに提供してもらい、
さらにスタンプをきれいに押す秘伝書も紹介しています。
デジタルで出版が衰退していく昨今ですが、このスタンプ押印だけは
自分で旅して集めることに意義があり、不朽のものと信じています。
少なくとも僕はこのスタンプ帖を旅のお供に、また資料整理用に活用していく所存です。


祝! 木之前葵ちゃん16勝目
3Rコーリンマレガーで16勝目を挙げました。
やっぱり葵ちゃんは短距離800m強いですね。
15勝目が10月2日だっただけに約1カ月ぶりとなってしまいましたが、
この間隔が少しでも縮まり、勝ち星を積み上げていってほしいものです。
それでは本日の成績から。

1Rサンジョベーゼ5着(4番人気)
2Rアナタトトモニ8着ブービー(7番人気)
3Rコーリンマレガー1着(6番人気)単勝2110円、複勝220円アタリ
4Rボールドタイド7着(7番人気)
6Rユアムーブ6着(6番人気)
7Rベルグラス4着(5番人気)
10Rハートオブミニー5着(4番人気)


Aをつけた2つははずしてしまいましたが、
3Rでは単複GETで2550円の払い戻し。
回収率は232%1450円のプラス収支になりました。
いや、本当3連複3連単まで手が回ればよいのですが。
明日の勝利にも期待しましょう!


名古屋競馬木之前葵ちゃん馬券術】
明日の名古屋開催、木之前葵ちゃん騎乗馬予想。
1R6枠6番クイーンマルゴー
2R5枠5番ドンレジェンド
6R5枠5番フトゥールム
8R7枠7番ラブステラー
9R8枠10番ラヴァリーオステル
11R8枠10番フレンチサマー


6鞍騎乗、さすがにまだ重賞への騎乗はないようで
ゴールドウィング賞には目もくれず、ひたすら葵ちゃんだけで稼ぐ研究を続けています。
Aをつけたのは5・7R。5Rは短距離戦に強いということで。元貞やん厩舎の馬だし。
8Rは初騎乗に期待をしました。1600mだと分の悪い馬ですが。
よって計900円で勝負したいと思います。


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