後藤由之師の勇退

まずは日常の話題から。本日引越しの見積もりと新規複合機の契約が成立し、
引越しは7月26日(火)に正式に決まりました。
落合にいるのもあとわずかなのですが、場所的には1キロも離れておらず、
自転車があれば落合も本当に身近な場所です。
ただし、新宿区から中野区と住所は変わりますが。
本日はようやく『みらべる』でうな丼を発見して購入。
しかし、昨年のものに比較すれば、うなぎも小さく、
しかも480円から550円に値上がり
中国産のうなぎですが、やはり被災の影響でうなぎの供給も減っているのでしょうか?
550円ならうなぎが小さくても『吉野家』のうな丼のほうが……。


さて、本日の話題は13日に報道された後藤由之師の勇退です。


後藤師、定年まで10年以上残し今週末で勇退
G1トレーナーがひっそりと競馬界を去る。13日、後藤由之調教師(58)=美浦=の勇退
JRAから発表された。20日付での勇退、つまり今週末の競馬が最後となる。
 開業して16年。トウカイポイントで制した02年のマイルCSなど、
重賞10勝を挙げているが、99年の関屋記念を制したリワードニンファ、
長距離重賞3勝のホットシークレット函館記念で兄弟制覇を果たした
クラフトマンシップクラフトワーク白毛のアイドル・ユキチャン
多くの個性派を育て上げてきた。
「自分の居場所がなくなったということかな。調教師という仕事が理想像とは違ってきた」。
定年まで10年以上を残しての勇退。理由を多くは語らないが、
決して経営に行き詰まったわけではない。「競馬って面白いんだよ。馬主さんや
ファンがより魅力的に感じられる競馬に戻ってほしい」とメッセージを送った。
アイビスSD・G3」(17日・新潟)にはバイラオーラを送り出す。
「安定感がないが、逆に言えば一発がある。直線競馬の適性はあるから」とほほ笑んだ。
母バイラリーナも自身が手掛けた。ゆかりの血統馬でラスト重賞に挑む。
(7月14日/デイリースポーツオンライン)


後藤師の管理馬はホットシークレットトウカイポイント白毛ユキチャンなど、
個性的な馬が多く、昨年の菊花賞も夏の上がり馬トウカイメロディが話題を盛り上げてくれました。
成績が不振で勇退する調教師は多いものの、
後藤師の成績(2011年は現時点で2勝)は過去からとくに落ち込んだ様子もなく、
定年まで12年を残して勇退するとは残念です。
去勢されたセン馬が多いのも特徴でしたが、
安馬を鍛えて強くするという故・戸山為夫師のような気風がありました。
厩舎制度の変革など、いろいろな背景があったと思いますが、
後藤師自体に競馬に対する情熱がなくなってしまったということでしょうか?
でも、最後の言葉にあるように昔に比べ競馬がつまらなくなってしまったのも事実です。
だからこそ後藤師はいろいろな話題性のある馬をもっとつくってほしかったのですが。
どうしてここに取り上げたかというと身につまされる思いだからです。
たしかに後藤師が開業した90年代は競馬もおもしろく、
同じように出版界も景気とは無縁のように羽振りがよいものでした。
しかし、競馬の出版物自体もネット情報に押され、雑誌は続々と休刊・廃刊。
競馬専門紙も130円で購入できるスポーツ新聞に取って代わられました。
そういえば昔は毎週高い専門紙買う人もいましたし、
shugoroさんもGIでは「ダービーニュース」を買っていました。
しかし、この不況に「東スポ」しか買わなくなり、
競馬の仕事ととも2006年以降は無縁になりました。
競馬界で潤った書き手陣も今では相当苦しんでいます。
これは競馬業界に限らず、出版業界にも云えることで、
歴史や鉄道の書籍・雑誌も読者スタイルの変化と同時に
制作コストが一段と落とされるようになり、全体的に質低下は避けられません。
後藤師にしても新たな活路を見出す勇退だったのでしょう。
出版業界も同じく先行き不透明な世界で、電子書籍化が進んでいますが、
反面、それに対するコストの格差が著しくなっています。
そういう意味でも後藤師の勇退は、自分の将来を考えさせられる
衝撃的な事件でもあったわけです。
ラストランとなる重賞のアイビスSDは一発期待していますが……。


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