メリーナイス逝く

JRAニュースで87年のダービー馬メリーナイス(牡25)が、
3月1日、北海道浦河町渡辺牧場で病気のため亡くなったそうです。
そうメリーナイスといえば1988年の映画『優駿』(宮本輝原作)で主役オラシオンを演じた馬。
最初は1987年のダービー優勝馬をモデルにしようと、
1番人気のマティリアルが候補となっており、仔馬も同馬に似たモデルを用意していたのですが、
メリーナイスが勝ってしまい、四白流星の仔馬を探しに苦労したようです。
また、有馬記念の落馬、サクラスターオーの故障も映画に使われており、
ジョッキーの根本騎手が謝るシーンは、競馬ファンに大ウケだったようです。
しかし、1988年といえばまだ競馬に縁のない大学時代。
たまたまヒロインが斉藤由貴だったため、
ファンのマツダドラえもんは観に行ったようですが、
あとで「つまらん」と云っており、馬の価値が分からなかったのでしょう。
あの映画で馬にはまったファンも多かったのですが。


その後、競馬にはまった頃にレンタルビデオで観ましたが。
1988年というと紀三井寺競馬場が廃止されたとたんオグリキャップが台頭。
第二次競馬ブームに火がついた年で、映画は240万人超を動員する興行成績を残したそうです。
そういえば原作者の宮本輝氏も馬券はずれてドロドロの人生もあったようで、
おおっshugoroさんとそっくりではないか。でも、あんな日の目は未だ見ませんが。


メリーナイスは86年朝日杯3歳S、87年日本ダービーセントライト記念
勝ったまではよかったのですが、その後は有馬記念の落馬のようにパッとせず、
天下御免の引き立て役となってしまい、14戦6勝で引退。
レックススタッド種牡馬となり、産駒はマイネルリマークとイイデライナーの
中央重賞勝ち馬を2頭出しましたが、GI馬はついに出ませんでした。
ちなみにオラシオンの仔馬時代を演じたマヤノオラシオンも、
91年にデビューしましたが、16戦1勝というトホホな成績だったようです。
メリーナイスはそれでも種牡馬としては恵まれた環境にありましたが、
その後は重賞勝ち馬が出ず、99年に種牡馬を引退。
長野県のスエトシ牧場で余生を過ごしていましたが、
2007年11月27日に故郷の北海道へ里帰りしたようです。


ダービーを6馬身差という派手な勝ち方をしたメリーナイス
記憶に残る馬として、あのブームだった頃の現役時代は知りませんが、
そこに競馬ブームがあったということを走馬灯のように記憶に蘇らせ逝きました。
あの雄姿をJRAから拝借し、ご冥福をお祈りいたします。

 (写真/JRA)


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