田県神社の思い出

本日は故郷の小牧市田県神社で豊年祭がありました。
天下の奇祭、珍祭といわれるお祭りで、男根を模ったヒノキ製の
大男茎形(おおおわせがた)の御輿(直径約50cm、長さ約2.5m、重さ300kg)を
厄男たちがかつぎ少し離れた熊野社から田県神社までを練り歩きます。
この神社の御神体は男根で五穀豊穣と子孫繁栄を願って、
ところどころアノ形をした石や木彫などが奉納されています。
5キロほど北の犬山市にある大県神社は女性器が御神体
こちらも毎年13日にお祭りが行われるのですが、
祭りとしてはこちらのほうが有名でとくに祭りのときは外人もたくさん来られます。
こんな祭り全国でもここしかないと思っていたのですが、
川崎のかなまら祭りなど、探せば他所にも出てきそうです。
まあ、この祭りに行ったのは高校と大学の頃で、
大体は友人が「小牧におもしろい祭りがあるんだってな」という
興味本位で付き合わされることになるわけです。
祭りの時は出店も多く出ており、アノ形をした飴やら陶器やらが売られるわけで、
友人などは「子宝飴」「授かり飴」と名のついた飴をおもしろ半分に買うのですが、
結局、自分でねぶることができず、始末に困ってしまうわけです。
本年は外国人約5000を含む計8万人で賑わった田県神社ですが(3月16日中日新聞)、
今日は当神社周囲の観光衰退事情を少々書かせていただきます。
この業界に入ってから神社裏手にあった「性態博物館」を取材したことがありました。
世界の動物の生殖器などを収集した博物館で、秘宝館っぽいネタもあって
よく本で取り上げられていたのですが、館員のおばちゃんは、
「学術的な博物館だから面白半分では取り上げないでほしい」
と言っていました。僕もその通りだと思いました。
観光名所としても賑わいピーク時には1日1000人、
23年間で約100万人を集めたそうです(これは小牧歴史館よりすごいかも)。
入場料は500円でしたが、取材ということで無料で見学させてもらいました。
残念ながら97年12月に後継者がいないということで閉館になってしまいましたが、
なぜ小牧市および田県神社は引き取らなかったのでしょうか。
意外に真面目な内容だったので名鉄が引き取ってもよさそうなものなのに。
その後、性態博物館は99年3月、群馬県白沢村で「武弘生態博物館」として
復活したそうですが、こちらも2000年末に閉館してしまったようです。
ひとつの観光名所を失った田県神社はその後、隣にあった「名鉄レストランたがた」も
閉店に追いやられ、いまではスーパーに変わってしまいました。
性態博物館のあった場所は住宅地になっています。
名鉄レストランたがた」はあの形をした飴などいろいろなお土産も売っていましたが、
現在は近くの食事処の片隅でわずかに売られるのみということです。
最寄りの名鉄小牧線田県神社前駅は元々は「久保一色」といったのですが、
観光客を見込んで現在の駅名に改称して休止駅を復活させています。
現在では高校や大学に近いこともあり、線内では小牧駅に次ぐ乗降を誇る当駅ですが、
土産物屋併設のレストラン・博物館・神社と三位一体で観光の役割を
果たしていた頃の面影はもうありません。これも少子化の影響でしょうか?


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