『廃競馬場巡礼』

5日の日曜日に久々に神保町へ行った際に本を衝動買いして、
5000円近くも使ってしまいました。半分は仕事のための資料だったのですが、
小説には拒絶反応を起こし、ほとんど読書しても長続きしない(仕事は別)僕が
興味を示して購入した本が東邦出版刊の『廃競馬場巡礼』(浅野靖典著)。
地方競馬のことを書くこと自体に希少価値がありますが、
近年に廃止された競馬場よりもむしろ、
戦後から昭和期に廃止された地方競馬のことを中心に書いています。
実際に現地へ取材に出かけつつ、その遺構を写真で紹介し、
ほとんど資料のない競馬場を市史などで調べたり、現地の人に聞いたりして
見事に書き上げています。中津・紀三井寺などはともかく、
当時のことを知っている人がほとんどいないので資料性の高い本です。
それだけ地全協ができる前の地方競馬の資料は紛失してしまっているのです。
たぶんこういうことに興味をもつ人間などほとんどいないので、
版元さんがどれだけ部数を出したかわかりませんが、コスト面から考えても
著者の方が個人的に取材していたストックを一冊本にした感じ。
取材も平成13〜17年とまさに5年がかりになっています。
この著者さんJR全線完乗するだけあって相当な鉄道マニア?
まあそのくらいの追究心と余裕がなければできない一冊です。


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