郡上ではずっと食べ続けていたい天然鮎

shugoro2015-04-06

今週が執筆のピークになりそうで、普段よりも睡眠時間が短くなっています。
もうふらふらでぼろぐ書くより仕事の原稿を書かねばならないのですが本日のニュースから。
岐阜市、アユを「準絶滅危惧」選定 河口堰が遡上阻害か】
岐阜市は絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト「レッドリスト」を初めて作成し、
アユを「準絶滅危惧」に選定した。アユは鵜飼(うか)い漁などで、
岐阜市を流れる長良川のシンボルだが、野生生物としては、存続の基盤が弱く、
生息環境の変化によっては、絶滅危惧に移行するという位置づけだ。
4月中にも市のホームページでリストを公表する。
 アユは川で産卵し、孵化(ふか)した仔魚(しぎょ)は海まで下って沿岸域で成長し、
再び川を遡上(そじょう)する。その生活サイクルが、河口から5.4キロに
1995年に完成した河口堰(かこうぜき)によって阻害されていると専門家は指摘する。
 リストの作成で魚類を担当した岐阜大学の向井貴彦准教授(魚類生態学)は
今回の選定について、「アユだけを特別視したわけではない」と強調する。
2009年度から5年間の自然環境基礎調査で市内の魚類の分布状況は網羅され、
その結果をもとに、生態や放流、開発の影響などを点数化して評価し、
魚類では36種をリストに入れた朝日新聞デジタル4月6日(月)5時6分配信)


朝日新聞自体、ここんところ記事のクオリティが落ちすぎてほとんど相手にしていませんが、
たまにはまともなこと書きますね。ただタイトルが「河口堰が遡上阻害か」
疑問符をつけているのはどうでしょうか?
天然鮎の生産が落ちたのは明らかに河口堰といえないところが情けない。
ただ、正直、賛成派と反対派の持ち出すデータはどうも偏りすぎて信がおけないところもある。
だからこそきちんとした統計を取って河口堰との因果関係を発表するのがジャーナリストなのだが、
このへんはきっちり取材ができていないのが悲しい。
治水にかこつけて薩摩藩の宝暦治水を無にせんとする長良川河口堰。
結局のところ利水目的であったのが、治水と塩害などを持ち出して
長良川の流れに蓋を閉じてしまった。これで天然鮎の遡上が減るのは当たり前。
稚魚などを放流し続けないと、天然鮎と呼べる存在はもういない。
おそらく現在の天然鮎もルーツが養殖鮎という系譜もいるのであろう。
ただ、養殖の成魚でなく、稚鮎から長良川で育くめば、
それは自然と天然鮎と呼ばれる体つきになってくる。
でも、河口堰がある限り、こういう天然鮎を育てるのにも
放流を続けなくてはならなくなるのではないだろうか?
河口堰ができたとき、補償があったのは河口のシジミ漁師だけであり、
岐阜県で天然鮎をウリに生業を営む漁協などには何も補償がなかった。
敦賀原発があればこそ小浜線も電化できたし、存続しているのだが、
河口堰で長良川流域の住民が恩恵を受けることはまったくなかった。
おかげで長良川沿いとはいわないが、その流域を走っていた名鉄美濃町線は廃止され、
長良川鉄道岐阜市を結ぶという望みも絶たれてしまった。

いまのところ、ぐじょおでは季節もあるが、長良川や吉田川で天然鮎が獲れるし、
ちびしじさん料理旅館『清竜』へ行けば何も不自由することなく天然鮎が食べられるし、
マユミママさん『華』でも天然鮎が出ることもある。
でも、絶滅危惧種などに指定されてしまっては漁獲に制限が出るであろうし、
当たり前のように食せなくなってしまう。食べられなくなるからの葬式喰いだけは避けたい。
長良川流域全部を世界自然遺産に登録して保護するのもひとつの手だが
それだと制約が増えすぎて天然鮎も食べる機会が減り、値も高騰してしまうのではないだろうか?
ちびしじさん杉ヶ瀬ヤナは天然鮎料理専門のため8月下旬〜10月末に限られている。
春〜秋に養殖鮎を流し、それを獲らせる見せかけの観光ヤナとはわけが違うのだ。
増水時ほど天然鮎が落ちてくるので、命がけになることもあるとか。

天然鮎喰いたきゃ〜郡上へおいで♪ ア ドッコイショ♪
杉ヶ瀬ヤナでは〜コーリャ、鮎が跳ねるチョイナ チョイナ♪
写真のように塩焼き・甘露煮・味噌田楽と(゚Д゚)ウミャアアアアア〜天然鮎が喰えるぐじょお
長良川の生命と鉄道を守るためにも河口堰は早く取り壊すべきなのである。


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