フミノイマージン伝終章1――あの悪夢まで(5月12日)

shugoro2013-05-16

ヴィクトリアマイルの前日までにフミノイマージンを途中まで書いた。
もちろんまだまだ続きがあることを願って。
しかし、そのヴィクトリアマイルフミノイマージンは亡くなり、
唐突にピリオドを打たれることになってしまった。
あの日以来、時が止まったままになっていた。
こんなことを書くのは正直辛い。でも歴史記録官の村野鎮守として、
あの日のことを記さねばならない。

12日は開門ダッシュのため朝5時過ぎ出たであろうか。
まだ雨が降っていたので折りたたみ傘をさしていた。
経路はコロプラのために西武多摩川線経由にし、武蔵境から西武に乗り換えて、
正門とは正反対の是政から競馬場をめざした。是政に着いた頃はもう晴天になっており、
府中競馬正門前から府中本町の西門へ向かう際にMっちゃんとすれ違った。
西門でゲンちゃんと合流し、あとはビニールシートを敷いて開門を待つ。
予想よりも大変ではなかった開門ダッシュ
先に横断幕貼の申請用紙にも書き込んであったので、
横断幕に許可シールを貼られて、あっさりパドックへ向かった。
1番目はさすがに無理であったが、かなり前のほうの場所に貼れたのではないか。
フミノイマージンが描かれた横断幕(写真左)の初お披露目である。
ついでにパドックの場所を確保した時点で、フミノのオーナー関係者Iさんが、
もうひとつの横断幕(写真右)を貼りに来た。フミノファンのべにかさんが、
ちょうど1年前のヴィクトリアマイルのとき、手作りの刺繍でつくったもので、
3月10日の中山フミノ祭のとき、Iさんにプレゼントしたあの横断幕だ。
これでフミノの横断幕は2つになった。さっそくIさんと
中山フミノ祭のときに幹事をしていたTちゃんに挨拶へ行った。
横断幕とパドックの場所も確保できたし、あとはフミノイマージン応援馬券を購入し、
スタンドのベンチも2つ確保して、午前中はベンチでウトウトしていた。
パドックの場所にいれば、間違いなく馬券を買いたくなるだろうし、
メイン前に傷が広がるのを避けたかったからだ。
パドックに移動したのは午後からであった。ここで先日のかしわ記念でご一緒したKさんと、
『ラパン』のオーナーHさんと遭遇した。『ラパン』で働いていたというY子ちゃんも同伴だった。
14時前にフミノ応援副団長の野菜博士が到着した。
フミノファンのために前日から自慢の手料理を大量に作ってきてくれたのだが、
若手2名はすでに撮影モードに入っていて料理のほうは後回しな感じ。
これでは残ってしまうと思い、Mっちゃん、Kさん、
『ラパン』オーナー、元従業員のY子ちゃんにも料理を勧め、
暑い陽射しのなかでビールをあおりながらのピクニック日和であった。
Iさんもパドックまで来てくれた。大阪のオーナー谷先生からも
「フミノ応援軍団の横断幕を観た」と連絡があったと聞いて嬉しくなる。
とかいっているうちにもうメインレースのパドックの時間になった。


思えば最初にフミノイマージンと出会ったのは、
もう4年も前になる2009年5月3日スイートピー(写真上左)であった。
あの頃はオークストライアル挑戦とはいえ条件馬であり、
4着に敗れて権利を失いながらも抽選でオークスには出走した。
オークスでは同日に生まれたブエナビスタの11着。
あれから重賞を4つも勝つ立派な名牝に出世したのだ。
今回のヴィクトリアマイルフミノイマージンの31戦目。
2009年スイートピーSから、フミノが3頭東上した2012年2月5日東京新聞杯(写真上中央)
野菜博士と一緒だった昨年5月13日ヴィクトリアマイル(写真上右)
京都遠征した10月8日京都大賞典(写真下左)、年明けてフミノオーナー関係者と初めて会い、
中山フミノ祭を楽しんだ3月10日の中山牝馬(写真下中央)
阪神ばるこなさんとともにIさんと再会した4月6日阪神牝馬(写真下右)と、
フミノイマージンのレースを直に観戦するのは、今回で7度目となる。
これまで観戦した6戦は4、4、15、4、6、7着とまったく馬券に絡まない疫病神
そのフミノ祭のたびにフミノ式ダイエットを強いられた。
しかし、今回は前日のオッズが16番人気で単勝58倍、
オッズは下がることなく、どんどん上がり続け、午前中には60倍台となり、
最終的には74.1倍にまで跳ね上がった。これは100円の単複だけでも、かなりおいしい。
笑いが止まらなかった。何度も人気になりながら疫病神の存在
馬券に絡まない結果ばかりであったが、
今回はこれが逆効果で16番人気でも札幌記念馬を馬鹿にしないでよ!」
云わんばかりの激走を期待していたからだ。

パドックでのフミノイマージンは最初元気がないようにも見えたが、
相変わらず、「ぽっぽ」の愛称の如く、鳩のように頭を上下にふる愛らしさ、
それでいてグラマーで牡馬にひけをとらない神々しいまでの筋肉質の馬体に惚れ惚れしていた。
馬体重は前回からマイナス6キロの478キロ。調教後馬体重からマイナス14キロになっていたのが
少々気にはなったが、陣営が仕上げてくれたのであろう。
この馬はいつも周回していくうちに気合が入るからだ。
フミノイマージンが目の前を周回するたびにシャッターを切った。
そしてパドックから退場すると同時に野菜博士とゴール前のスタンド席に移動した。
昨年は席など取れず遠巻きな観戦であったが、開門ダッシュまでした恩恵である。
スタンドはこんなに人がいたのかと思うほどあふれかえっていた。
今回は直線コースとゴールが見渡せる特等席。昨年の同レースは不本意な乗り替わりに加え、
前を塞がれて伸びるに伸び切れない不運なレースであった。
そして昨年のエリザベス女王杯以降は悪天候ばかり。
今回も前日は雨に祟られていたが、晴天で馬場もほぼ乾いた状態となり、
フミノイマージンの末脚が最大限に活かすことができる。
たとえ今回勝てないにしても、鮮やかな伸びを期待し、複勝は厚目に買っていた。
そしてファンファーレが鳴り響き、あの悪夢となった
15時40分発走の第8回ヴィクトリアマイルのスタートが切られた(つづく)


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