『龍馬伝』第10回「引きさかれた愛」

今回のラブストーリーはいいデキでしたね。
時代は安政5年(1858)、龍馬が北辰一刀流長刀兵法目録を伝授され帰郷。
佐那ちゃんが想いを打ち明けているのに、「土佐には大事な人がおる」と佐那をふる龍馬。
で、帰郷後、龍馬は幼なじみの加尾にプロポーズまでしてしまう。
一方、安政の大獄に対して吉田東洋が藩政復帰。
甥の後藤象二郎青木崇高)が初登場し、弥太郎の才能が認められ、
唐突ながらも東洋に抜擢されて長崎へ行くことになります。
しかし、東洋の藩政改革は封建制を打破し禄高を減らすなど立派なもの。
長岡藩家老・河井継之助と同じような改革を行っています。
これが藩内の反東洋派の柴田備後(勝守)と土佐勤王党を結成する
武市半平太が手を組むことになっていきます。
で、京都での隠密として友姫の世話係に加尾が抜擢。
平井家は上士最下層の新留守居組のはずですが、ドラマではなぜか下士の出身になっています。
加尾がいったんは家出して龍馬の家に行き、龍馬も半平太の家に行く。
半平太も加尾の代理を探そうとしますが、もはや上士の命には逆らえず、
兄が切腹しようとするため、加尾は泣く泣く友姫に従うことに。
この話をきいた龍馬は上士の家に行き「加尾行くな!」と云いますが、
半平太が龍馬に「自分で選んだ道」といって諦めさせます。
で、加尾が上洛前に「私ができんかった生き方をして」といって悲しい別れになります。
ドラマではこれで加尾と切れてしまうんでしょうか。
龍馬が加尾に駆け落ちをうながす手紙を書いたのは文久元年(1861)9月13日付。
あの加尾より美人と佐那にメロメロという手紙を出すのは文久3年(1863)8月14日付。
龍馬が加尾への想いを断ち切って佐那に恋をする過程はどう描くのでしょうか。
ここが今回のドラマの見せ場ですよね。
あと桐野作人先生の『膏肓記』も併せてお読みください。


史跡紀行では高知市平井収二郎誕生地と南国市の高知県立歴史民俗資料館が紹介されました。
両方とも昨年9月に取材で訪れていますが、民俗資料館の加尾所蔵短刀は見そびれた気が。
今回は平井収二郎誕生地(邸跡)と高知県立歴史民俗資料館とスタンプをUPします。

坂本龍馬創世伝』(メディアボーイをまだ購入していない方は、
ぜひこちらからご覧になって購入してくださいまし。


あとここで3月6日(土)、お江戸上野広小路亭で行われた
講談師・神田陽司さんの「坂本龍馬全仕事」の寄席を書いておきます。
当日は雨が降っていたので客足を心配しましたが、
やはり陽司さんの人気は絶大でほぼ満席の状態。
僕も合間に本を売りつつ、陽司さんの席はしっかり聴かせていただきました。
あっ、もちろん木戸銭は払っていますよ。
前半は「龍馬・物語と史実を徹底仕分け」で映像を用いて分かりやすく解説。
幕末の複雑な思想も陽司さんにかかれば何のそのという感じ。
後半は(坂崎紫瀾『汗血千里駒』)から「龍馬伝説」の講談。
大河ドラマではちょうど坂崎紫瀾が弥太郎にインタビューする件から始まりますが、
これは陽司さんの講談からパクられたといっていました。
たぶん、大河のディレクターが密偵として寄席を聴きに来ていたのでしょう。なーんてね!
打上げは1月22日と同じ『上野市場』でしたが、
ここで神田紅さんの高弟の方と出会えてビックリ。
10年以上前に神田紅さんの講談教室に二度ほど行ったことがありましたが、
この頃から実は一緒だったんですね。こんなこともあるもんです。
重かった本を抱えての行商もそこそこ売れてよかったです。


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