先週土曜のことですが東京駅100周年記念Suica(冒頭写真)を
めぐって暴動が起きました。以下がそのニュースです。
【東京駅開業100周年記念「Suica」に9,000人以上詰めかけ販売中止】
20日に開業100周年を迎えた東京駅で、丸の内駅舎をあしらった限定版「Suica」が販売されたが、
9,000人以上が詰めかけたため、販売を中止したことから、混乱が続いた。
東京駅には、1万5,000枚限定の「Suica」の発売を前に、
未明から9,000人以上の鉄道ファンが行列を作った。
このため、JR東日本は、午前8時の予定を繰り上げて販売を開始したが、
駅構内などで混乱が起きたため、午前9時40分に販売を中止した。
駅員が、「本日、このままお並びいただきましても、Suicaを販売する予定はございません」と
伝えると、並んだ人からは「今まで売った人はどうするんだよ」との声が上がった。
東京駅では、購入できなかった人たちが、発売中止は納得できないなどとして、
JRの職員に詰め寄るなど、混乱が続いた(FNNニュース12/20 14:13)。
これがその騒動を伝える動画ですが、
とにかく今は即ツィッターやようつべに上げるから伝達が早いですね。
国鉄時代の昭和48年(1973)の上尾事件や昭和49年(1974)の園田騒擾事件並みの暴動といえ、
せっかくの記念日が台無しになった感じです。
疑問がつくのはなぜ「徹夜禁止」としておきながらJRはそれを容認したのか?
割込防止の整理券を配らなかったのかといろいろ問題ありですが、
結局、始発で来て並んだ人が馬鹿をみたようです。
今回の酷いのは明らかに転売目的で購入した転売屋が多く
ヤフオクなどでは1枚2000円が10万以上の値がつけられていたとか。
もし岩田ドラえもんが買ってきてくれと言ってもこれは断ったでしょう。
富士・はやぶさ廃止の時も記念商品を買うのに並ばされましたが、ここまではひどくなかった。
要は限定にして転売で高値がつけられることで、こういう長蛇になったのでしょうが、
やはり暴動原因で共通していえることは不公平感あらわなケース。
上尾事件は列車の打ち切り、園田騒擾事件は確定後のレース不成立、
そして今回の事件は途中での販売中止です。
まぁ、もうこういうのはうんざりするので参加するつもりもないですが、
国鉄末期からJR初期にかけては岩田ドラえもんに付き合ってこういう体験も少なからずありました。
最初は昭和59年(1984)3月に弥彦線の廃線となった東三条〜越後長沢間に乗ったとき。
このときは他に廃止になった魚沼線や赤谷線なども乗り、結構な混雑だったのですが
入場券が買えないほどではありませんでした。
ドラえもんが撮影、僕が入場券購入ということで分担していたのですが
越後長沢の入場券だけは折り返し数分で人が殺到したため
発車時間になってしまい、とうとう買えなかったのです。
弥彦線東三条〜越後長沢間の廃止は1年後の昭和60年(1985)3月だったのに
なぜあのときあれだけ混んでいたのかは不思議なものです。
結局、その後は乗るチャンスがなく廃止されてしまいましたが、
20年後に書泉グランデでは300円で売っていたので買いました。
入場券が当時130円でしたから、しょせん廃線の駅でもこの程度の相場にしかならないのです。
このときは暴動にはなりませんでしたが、
同じく昭和63年(1988)4月9日の宇高連絡船のときは暴動を目の当たりにしています。
このときのJRの応対もちぐはぐで、「折り返し乗船はできません」ということで
強制的に宇野で下船させられ、最終便の讃岐丸を待ったのですが
最終便だけ折り返し客を下船させなかったのです。
これでは下船させられて数時間待たされた客にとってはたまらないでしょう。
やはりあちこちから罵声が飛び交い、逮捕者も出たようですが、
これに関しては今回のようにおかしな応対をしたJR側にも責任の一端はありましょう。
この宇高連絡船最終便で高松に戻り、高松から瀬戸大橋線を乗ったのですが
もうさすがに疲労でダウンし、瀬戸大橋通過は完全に眠っていました。
これがそのときもらえた宇高連絡船乗船記念証(左)ですが、
もうこういうのをもらうために並ぶような体力も情熱もありません。
にしても今回の100周年記念Suicaはどうしてあんなに並んだのでしょうか。
デザインがすばらしいという声もありますが、
同じデザインのスタンプ印影(右)なら期間限定ですが無料で押せたはず。
スタンプでこんなふうにならないのは需要が少ないせいでしょうか。
でも、その後、JR東日本のとった態度はすばらしいものでした。
【<東京駅記念スイカ>1月申し込み受け付け 希望者全員に】
東京駅開業100周年を記念したIC乗車券「Suica(スイカ)」の販売が途中で中止され、
混乱が生じた問題で、JR東日本は22日、記念スイカの限定販売をやめ、
希望者全員に販売すると発表した。来年1月下旬から2週間程度、
インターネットや郵送で申し込みを受け付けるとしている(毎日新聞 12月22日(月)19時44分配信)。
これなら記念Suicaの価値も下がって転売屋ももうからないでしょう。
ある意味、当日地方から買いに来て買えなかった人にとって
気の毒なことになってしまいましたが。