厚かりし世界の壁と鎖国化する日本競馬

昨年も同じようなことを書いたが、本年もフランスで6日に行われた凱旋門賞
オルフェーヴルが2着(1番人気)、キズナが4着(3番人気)と敗れた。
勝ったのは3歳牝馬トレヴ。5戦5勝の絶対王者であった。
斤量差があったとはいえ、5馬身差の圧勝で完敗としかいいようがない。
まぁ、オルフェーヴルも無様な惨敗はせず、2年連続2着の善戦に甘んじるべきであろう。
心情的には日本の武騎手が手綱をとったキズナに制覇を期待したファンが多かったと思うが、
ダービー1本に照準を絞り、菊花賞を回避しての挑戦だっただけに、来年は厳しいかもしれない。
できれば3冠牝馬ジェンティルドンナに挑戦してほしかったが、
宝塚記念で3着に敗れてあっさり回避してしまった。
あのブエナビスタでさえ、3歳時に挑戦プランが持ち上がったが、
札幌記念ヤマニンキングリーに敗れて白紙に戻している。
しかし、この風潮はよろしくない。競馬だから勝ち負けは当然あるし、
無敗の絶対王者でない限りは、国内で負けても海外へ挑戦させるべきなのだ。
むろん、海外遠征はリスクがあるかもしれないが、勝てない可能性がないわけでない。
昨年も条件馬のアヴェンティーノという帯同馬が凱旋門に出走していたが、
今年も同じく帯同馬でオルフェーヴルを蹴ったという条件馬ブラーニーストーンが
GIのフォレ賞(8着)に出走し、トホホ感を漂わせてしまった。
もう本当に社台の好き勝手、やりたい放題である。


その一方でJRAはついに2014年開催にも大幅なテコ入れをするという。
2014年は朝日杯FSを阪神に移行するほか、阪神のJCダートを廃止し、
中京に同距離でチャンピオンズカップという名を新設するとか。
ジャパンCとは名ばかりで海外からの参戦馬がなく、
武豊が主張したように中京移行が実現したわけだが、
国際招待制の看板を降ろし、賞金も1億3000万から9600万に大幅減額するとか。
これって単なる資金繰りが苦しくなったと勘ぐりたくなる扱いである。
JCにしたって一流馬が来ず、凱旋門賞馬が物見遊山で来てコロッと負けてしまう。
欧州とは芝が全然違うとはいえ、なんか盛り上がらない。
いっそのことチャンピオンズカップより、
左回りのある盛岡か川崎でJCダートをやったほうが地方競馬の活性化につながるかも。
もっともスタンドの収容力という課題もあろうが。
それよか未だに芝からスタートするというへんちくりんなダート競走を
根本的に改善しないと、JRAはどうにもならないのだが。


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