日本全国で観られるのは932年ぶりという金環日食。
そういえばこの日が近づくにつれ、日食グラスが街頭でも売られていたが、
見向きもしなかった。その1日のための便乗商売という冷ややかな目で見ていたからだ。
しかも当日が雨だったら、まったく無駄になるではないかと思いつつ。
たぶん、普段どおりの生活であればこの時間は眠りこけていたことだろう。
しかし、当日は違った。土日返上の仕事が夜の時点でも終わりきらないため、
徹夜して仕上げるしかなかったからだ。
当然、徹夜明けで金環日食の朝を迎えることになる。
だが、天気予報は曇となっており、本当に観られるかどうか明け方まで半信半疑であった。
朝6時過ぎ明らかに太陽が照り付けていたため、
慌てて日食グラスを買いに行くことにした。
なぜ買おうと思ったかというと、アイマスクにも転用できるから。
自転車で駅前のコンビニなど数件回ったが、やはり見つからない。
便乗商売なら当日の朝まで売らんかい!
日食グラスを諦め、小学生の頃に下敷き越しで観たことを思い出し、
今度は下敷きを探したものの、やはり今時下敷きなど文具屋にいかないと売っていない。
そのため代用したのがアルバムのビニールカバー。
これなら目を痛めずに太陽を見ることができる。
ちょうど最初に見たのはまだ欠け始めぐらいだったので、
いったん事務所で作業を再開。そのうち陽がだんだん弱くなったので、
再びベランダに出て観察。ビニールカバー越しにくっきりと輪が確認でき、
周囲から歓声があがっている様子が聞き取れた。
写真も撮ってみたものの、やはり難しくてうまく撮れなかったのだが、
デジコンのほうで撮ってみたなかから冒頭写真の1枚が見つかった。
なかなかよい体験をしたものだが、この時間帯は仕事が中断!
仕事を再開させ、途中で『ココス』へ行き、
朝食バイキング699円を食したが、カレー1杯でギブアップしてしまった。
それでも腹が苦しく1日もたせたものであるが、胃が縮んでいるせいかもしれない。
仕事は無事終わったものの、またも時間が逆転に。
どうでもいいことだが、金環日食といえばついつい『三国志演義』の金環三結を連想してしまう。
もちろん『演義』の架空武将で、ストーリーでは趙雲に簡単に討ち取られているが、
最初、『ナムコ』のゲームでは4文字武将が載せられなかったせいか、
なぜか「金環結(きんかんけつ)」となっており、ずっとこちらが本当の名と思っていた。
金環日食で少しでも金環三結に注目が集まるとよいのだが……(何のこっちゃ)。