可部線の思い出

本日のニュースで2003年12月に廃止された可部線の一部区間のうち、
可部〜旧河戸間1.7キロが電化で復活するという。
沿線住民などの要望で両者が協議し、最終合意を経て、
JRが11年度に経営会議で決定、13年度の完成をめざすそうで、
JRが廃線を復活させる全国初のケースになるとか。
可部線に乗車したのは、入場券の記録をたどると91年3月26日になっている。
このときは三段峡まで行って折り返したのだが、
4月から可部〜三段峡間がCTC化されると聞いていたので、
安芸飯室・水内・加計などでも下車して硬券入場券を買いあさったものだ。
乗車したのはこの日限りで、その後は一部区間が廃止になる報道があっても、
乗りに行くことはなかった(行けなかった)。
しかし、小河内までは政令指定都市広島市内の駅だったのに、
ここまではベッドタウンとは無縁のようで、広島市の広域具合がうかがえる。
廃止騒動の乗車運動が盛り上がったときも、1日平均輸送密度は762人で、
基準の800人に満たず、その後の試験区間では487人となってしまい、
第3セクターでの存続も断念した。
1日800人の輸送密度なら昔の特定地方交通線2000人未満に比すれば、
かなり緩かった基準だとは思うが、やはり沿線人口の少ない地域では、
これでも辛かったようだ。乗車運動はやはり一過性のもので、
ずっとこれを維持するのは難しいことを物語っている。
それでも廃止された区間の復活は珍しいことだ。
沿線住民もそれを見越して線路の撤去などはしなかったのだろう。
もし実現すれば終着駅も可部から河戸に変わる。
でも行くチャンスはそうそうないだろうな。


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