『「あの馬は今?」ガイド2006-2007』

毎年7月には出していなくてはいけないのに、
版元の事情で遅れに遅れてしまった2006年度版『「あの馬は今?」ガイド』。
発売は10月30日でしたが、さらに旧住所に発送してしまったとのことで、
先日11月21日にようやく手元に届きました。
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『「あの馬は今?」ガイド2006-2007』(流星社
この本もアスペクト時代からの創刊号を含め10周年を迎えます。
この10冊のうち何らかの形で8冊に編集・執筆で携わっています。
外部スタッフとしては明石氏とともに古参の類に入ります。
2002年度版からは地方競馬のコーナーを担当しており、本年度で5年目を迎えました。
地方へ流れた元中央オープン馬を取材し続けているのは、
月刊『優駿』で連載するT氏と僕くらいなものでしょう。
T氏の連載はもう15年以上になり、僕も愛読者から現在はライフワークとなりました。
以前から自分の持ちデータには記録していたのですが、
本年度からは地方競馬を引退した馬たちのコーナーをもうけています。
地方引退後、余生を過ごせる馬は、たとえ元中央オープン馬で
1億円以上稼いだとしても本当に数えるほどしかいません。
中央の重賞を勝っていれば、JRA助成金対象馬として月3万の養育費が
支給されるのですが、そういうことも知らずに行方不明になっている馬も
あとを絶ちません。もちろんすべての馬を救うことなど不可能ですが。
でも、本書を見て「ああ、あの馬がまだ現役なんだ」ということを知ってもらい、
存続の窮地に立たされている地方競馬へ応援に行ったり、
その馬の存在を知って救う手立ての一助になったりすれば幸いです。
しかし、肝心の地方競馬全国協会(NAR)の広報はいい加減なものです。
抹消された馬が現役として1年以上データに残っていることも間々あります。
で、各主催者に問い合わせても→調教師→馬主とふられ、
厩舎にいない→放牧or休養→そのまま引退or現役続行が、
実に曖昧になっているのです。このあたりは中央競馬をぜひ見習うべきだし、
地方の交流重賞勝ち馬でもJRA助成金対象にする動きがあってもいいところです。
ダビスタだって地方交流重賞を制覇リストに含まなければ手落ちです。
まあ、それでも10年前に比べれば、地方競馬各主催者の広報もマシにはなりました。
昔、有名な中央オープン馬が地方へ流れたとき、
特ダネで真っ先に取材を申し込んだのですが、
そのときの管理する某調教師のコメントは「マスコミ一切拒否だ」の一言。
そのあと皆が駆けつけるようになってからは、
態度を180度変えて取材を平気で受けていましたが。
中央で重賞を勝っている馬なら中央からのファンを集客する力があるのに、
地方が閉鎖的社会だったから、当時こういうマスコミへの応対もできなかったのです。
そのせいだけでもないのですが、案の定、その競馬場は廃止になりました。
現在は中央よりもオープンになり、取材も比較的快く受けてくれますが、
肝心の地全協を早く解体しないと、本当の未来は開けません。


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