負の遺産を残す小牧市

昨日中に来た原稿はすべて入れ、40ページ渡したでしょうか。
さすがにバテました。まだ自分の原稿も結構残しており、
入稿と同時に執筆もやっているのでフラフラです。
さすがに独りではやりきれないので、本日はヘルプを呼んで手伝ってもらい、
夕食は『香林園』で中華料理を満喫しました。
そんな日常はさておき、本日は久々に地元のニュースでも。


桃花台線高架の耐震化を 小牧市が県に要請

 小牧市の山下史守朗市長は6日、市議会の施政方針演説で、
廃線となった後も高架構造物が放置されている市内の桃花台線
(小牧−桃花台東、7.4キロ)を耐震化する安全対策を早急に
講じるよう、所有者の県に要請したことを明らかにした。
 東日本大震災で危機感を強め、5月下旬に名古屋市で開かれた
西尾張地域政策懇談会の際、同席した大村秀章知事に申し入れた。
 桃花台線は1991年3月に開業したが、県や小牧市などでつくる
運営主体の第三セクターが多額の赤字を抱え、
耐震補強に28億円を要する課題にも直面して2006年10月に廃止された。
09年3月に県の懇談会が小型車用道路とする案を示したが、
市側は「渋滞解消につながらない上、構造物のさらなる補強が必要になり、
現実性に乏しい」と受け止めている中日新聞


なんとも無用の長物を抱え込んだものです。
結局、桃花台新交通も二度ほどしか乗りませんでしたが、
開通しても小牧線がまだ地下鉄につながっておらず、
ようやく地下鉄上飯田線が開通して乗客増の兆しが見えてきたところでの廃止。
わずか15年しか運営されなかった負の遺産のために、
どれだけの公的資金の投入をしたというのでしょうか。
しかし、この高架構造物を撤去するにも何百億という費用がかかり、
放置するしかないのですが、耐震化の費用が必要だというのです。
ただし、ひとつ申しますと、今回の東日本大震災でも、
都内で九段会館の天井崩落などがありましたが、
耐震基準という理由で立ち退きを云われている当事務所はおろか、
周辺のもっと古い周辺の民家でも倒壊はみられず、
日本の建築物はそこまでやわではないはずです。
万里の長城のような桃花台新交通の高架構造物も
そう簡単には倒壊しないでしょう。手抜き工事していれば別ですが。
1967年に休止されたドリーム開発ドリームランド線のもっと細い構造物だって
40年以上経った現在でも立派に残っていますから。

写真は廃止から1年半経った2008年4月に撮影した
桃花台新交通の終着・桃花台東駅です。
あのループ橋も残っていましたが、あれから3年で撤去されたのでしょうか。
あの当時は駅名の看板もしっかり残っていました。
しかし、道路にも転用できず、放置せざるを得ないのであるなら、
まだ、コスト削減のためキハ11気動車1両で走らせている
東海交通事業のほうがずっと利口といえましょう。
桃花台東駅は実は路線バスの乗り継ぎができたところですが、
一度も利用することなく廃止され、醜態を晒し続けています。
いっそのことあと100年風化させ、産業遺産として登録されたほうが、
観光の目玉にもなりましょう。歴史のない鉄道だけに資料室すらありません。


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