『龍馬伝』第31回「西郷はまだか」

取材で出かけており、戻ってきたのが3日の午前様。
なんとか録画までは観たのですが、そこで力尽きました。
今回は亀山社中設立からの話ですが、どうもこの薩長同盟の流れが、
本筋を欠いてしまっているので気持ち悪いです。
亀山社中設立後、龍馬は陸奥とともに大宰府に行き、
高杉晋作に会おうとしますが、高杉はおらず代わりに中岡慎太郎上川隆也)登場。
陸奥三条実美を説き、長州の桂小五郎との面会が叶います。
しかし、どうも薩長同盟が龍馬のユートピア主義に映ってしまうんですね。
「日本を守りたい」という理想はいいですが、
これでは薩長を結びつける説得力に欠けます。
ここで亀山社中の「薩摩名義で最新式の武器を購入し長州へ送る」という
商業活動が活きてくるはずなんですが、その部分が出てこないため、
龍馬の熱意だけで桂が西郷との面会を受け入れてしまうのです。
実際の薩摩はこの時点で、一会桑政権(幕府)と相当対立していたはずですが。
しかし、お元が他の亀山社中から情報を聞き出して幕府に流します。
一方、ようやく薩摩で西郷を説得した慎太郎は下関へ向かいますが、
なぜか警備の甘い船は、幕府隠密に潜入され、独りを取り逃がしてしまう。
そのため西郷は下関へ行かず、京都へ向かい、それを慎太郎が報告。
待つだけ待たされて裏切られたと、長州は怒るわけです。
この展開を史実で解説すると、西郷は最初から幕府の長州征伐を阻止するため、
京都に向かうつもりで、途中に下関に寄るわけですが、
ことを急いで京都へ直行するわけです。決して機密が漏れるのを怖れたわけではありません。
どうも亀山社中の活動が黙殺されてしまい、
龍馬&陸奥の行動だけで薩長同盟を成立させようとするとことに無理があるのです。
このあたりの歪みを、ドラマではどう修正するつもりなんでしょうか。
視聴率が低迷しているだけに気がかりなところではあります。
あと桐野作人先生の『膏肓記』も併せてお読みください。


史跡紀行では亀山社中ゆかりの地として亀山社中跡、若宮稲荷、風頭公園などが紹介されました。
ここは昨年9月に取材で訪れたところで、
長崎は坂の町ですから炎天下のなか、亀山社中風頭公園へ向かうのは大変でした。
今回は亀山社中、若宮稲荷、風頭公園龍馬像の写真をUPします。

坂本龍馬創世伝』(メディアボーイをまだ購入していない方は、
ぜひこちらからご覧になって購入してくださいまし。


【人気blogランキングへ】