印税なんて……

shugoro2010-03-19

本日も出張校正でいつもよりかは早く切り上げたものの、
やはり帰宅は午前様。連休明けに初校ゲラ戻しもあるので、
結局のところ三連休も休めそうにもない。
せめて1日ぐらい「青春18」で出かけられるといいのだが。
しかも現金引き出す時間もなかったため、
財布の中身は1000円を切っているジリ貧状態になっている。


まもなく3月も終わり、年度決算を迎える。
昨年に比べれば仕事はやや緩めだが、1〜3月も結構本の制作をした。
当社が携った仕事で本日発売のものが2冊。

は四條たか子先生著の『幕末維新で散った若き志士たちの実像』(KKベストセラーズ
『The 国鉄遺産』(講談社である。
右の書籍は久々に鉄道の執筆となったが、こちらはキハ58系を中心に8ページのみ。
しかし、左の文庫は突貫工事ながらも我ながら誇れる一冊と思っている。
実はこれ酒の場の打ち合わせでトイレに寄ったとき、
ふとひらめいた企画だったのだが、いま流行のミーハー戦国武将ブームより、
元祖レキジョの多い幕末で40歳を前にして亡くなった若き志士たちを特集。
いま話題の坂本龍馬はもちろんのこと、高杉晋作新選組近藤勇土方歳三など、
幕末好きなレキジョは涙腺が緩んで最後まで読めない一冊なのである。
もちろんスケジュールもハードだったので、先生に協力する形で、
僕も一部執筆している。僕の書いたのは4部と5部が中心だが、
佐幕ファンの僕にとっては会津白虎隊の悲劇はもちろんのことだが、
あまり知られていない二本松少年隊の話は必読である。
なんとか正月にスタッフに二本松城へ行かせ、少年隊の写真を撮らせた価値があったというもの。
ぜひぜひレキジョおよび幕末ファンに読んでもらいたい。
ちょうど『龍馬伝』に登場する人物たちも紹介しているのでタイミングもいいと思う。


といって頑張って本を制作していても、
今年に入って雑誌の一冊制作はやっていないのでピンチである。
たしかに書籍系は今年に入って3冊。復刊も2冊とペースは速いが、
いかんせん、薄利で生産効率は悪いのだ。
いくら売れると信じて作ったところで印税なんて期待できるものではないと冷静にみている。
これも版元の営業力もあるのだが、そうやすやすと重版がかかれば苦労はしない。
それなら印税はなくてもコストパフォーマンスのいい雑誌のほうがいいわけだ。
それでも4月と5月に発売の書籍が1冊づつ入っており苦戦中である。
早く雑誌の企画を通していかないとマジやばくなっている。


冒頭写真は拙著『三国志人物事典』の台湾バージョン。
日本では10年で4刷の1万2000部で終わってしまったが、
逆輸入された台湾ではこのたび11刷を数え、装丁が一新されたニューバージョンだ。
向こうの定価450元だから日本で1282円ぐらいか。日本より台湾のほうが売れている。
過去に韓国でも翻訳されたようだが、こちらは何刷目か知る由もない。
しかし、これって印税どうなっているんだろう。
ごくたまに数年に一度、スズメの涙程度の印税振込があるが、
しょせん印税なんてそんなものでしかないかもしれない。
印税生活なんて夢のまた夢。それよか本を生産し続けなくてはならない宿命。
もっともこれは原作者より翻訳者に入るのであろう。
でも、原作は『三国志』の著者・陳寿にあやかった村野鎮守です。
これを読んでいる台湾の愛読者さん、ファンレターくれないかな?


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