本日のサンケイスポーツニュースで知りましたが、
美浦の土谷智紀騎手(37歳・古賀慎厩舎)が9月いっぱいで引退。
所属厩舎の調教助手に転身するそうです。
土谷騎手とは二度ほど縁がありまして、
最初は95年の『競馬フォーラム』の特集で若手対談のコーナーがあり、
小林淳一騎手との対談でした。しかし、まだ競馬界の仕事に入ってペーペーだった僕は、
なんとプレゼント用の色紙にサインをし忘れてしまう大チョンボ。
対談は独身寮で行われたのですが、土谷騎手は先に帰ってしまい、
小林淳騎手にはサインを書いてもらえたものの、
そのまま寮に色紙を預かることになってしまったのです。
この失敗をフォローするため、中山競馬場にも記者証で出かけ、
土谷騎手に寮においてある色紙にサインを頼みました。
「しょーがない記者だな」と思われたことでしょう。
まぁ、両者のサインが回収できたのでほっとひと息でしたが。
それから3年後の98年にアスペクトの柴田善臣騎手の出版記念会で、
再び2人にお会いしましたが、その頃には2人とも結婚しており、
パパさんの風格になっていました。
「3年前に対談の取材したけど覚えてる?」
と聞いたら、もうすっかり忘れていたようですが。
このとき司会をやってくれたのが、土谷騎手の奥さんでした。
しかし、近年は騎乗にもまったく恵まれなかったようで、
2010年はまだ一度も騎乗していないのもビックリでしたが、
このまま騎乗もなく引退してしまうのは寂しい限りです。
競馬ブームの華やかなりし頃に活躍していた若手ジョッキーも、
毎年新人の台頭に生存競争が厳しくなっていきます。
僕と取材で縁の深かった騎手が騎乗に恵まれず、ターフを去ってしまうことも、
時の流れと勝負世界の厳しさを痛感させられます。
重賞勝ちはなかったけど、20年間で通算3792戦164勝。
やっぱトウホーケリーが印象深いかな。
お疲れ様というねぎらいの言葉と同時に、新境地での活躍を期待しています。